日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

専任教師のノルマ 1人一つのアルバイト

日本語学校には新入生に対してアルバイトを紹介するという業務がある。アルバイト担当の教員がいる日本語学校もあるが、担任の教師が担当する場合もある。新入生には必ず一つのアルバイトを持たせることになっており、それを日本語学校のサービスとして現地の学校に紹介しているケースもある。そのため、担任は自分のクラスの学生全員がアルバイトを持つように世話をしなればならない。

授業の始めにある諸連絡の時間や授業後の時間に、全体または個別に対応する。アルバイトの紹介は、本人の希望を聞いてなるべく沿ったアルバイトを紹介するケースもあれば、何度も面接に落ちてあまりやりたくない仕事を説得して紹介するケースもある。特にうんともすんとも言わない学生や、優柔不断な学生に何とか仕事をとにかく決めさせる。こうしたスッタモンダに相当な時間を割く。

組織の上からもアルバイトの確定状況を聞かれ、早く決めるように催促がある。これらの対応に追われるため、授業が始まって一ヶ月半は専任はまともな授業が出来なくなる。