日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

新入生のアルバイト事情

日本語が出来ない留学生のアルバイトは非情な現実がある。

まずアルバイトには、言葉が上手な学生に割り当てられる仕事と、言葉が関係ない仕事がある。前者は大規模な飲食の裏方が多く、後者は店流通関係、コンビニ等の惣菜、駅弁の弁当を作る工場、地域で有名な食品工場等がある。新入生は殆ど言葉が出来ないので、もちろん後者が多くなる。

その中でもまともな仕事は、一から育てようとしてくれる飲食店の野菜切りの仕事やビジネスホテルの掃除や早朝の朝ごはん作りなど。人手不足だと言うが面接はきっちり行われ、いい学生が取られていく。行き場のない学生のうち、体力に自信のある学生は流通大手の会社で荷物の仕分け作業、体力に自信のない学生は食品関係の工場に入ることになる。その人数は数十人単位である。流通関係の会社に至っては、入学前から営業の方がわざわざ日本語学校に訪れて、入学予定者数等を聞いていく。

先輩との繋がりがすでにある学生の場合、働く環境が悪い会社の噂がすでにあり働きたがらないが、実際に働く場所がなく仕方なく入っていくケースもある。一方で、選ぶことなくさっさとアルバイトを決めて、自ら自己管理をする学生もいる。

コンビニでアルバイトをする留学生の姿があるが、特に非漢字圏の学生であれば、あれは留学生の中のヒエラルキートップである。そうしたアルバイトにすらつけない留学生が山ほどいるのだ。