日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

事務局vs日本語教師(教務)

大学において事務と教員ではどちらに主導権があるのかと言えば教員である。国立であれば学長は教員から選ばれるし、意思決定を行う会議は教員が主体で行なわれる。また、大学の事務職は、事務局と教務の2つに分かれている。事務局は職員の人事や大学の財務等、大学運営に携わる仕事をする。そのため、教員とあまり関わない。一方、教務は学生課で働く等、学生と直接関わる仕事である。そのため教員との関わりも多い。この教務の事務と教員との間には、しっかりと上下関係があり対立する事はない。また、事務局と教員は分離されているため、かなり上の役職は別として、教員と事務局との間に上下関係そのものがない。また、事務職員同士では事務局が上、教務が下というイメージがある。それは、事務職員でも出世する職員は事務局配属になるからだ。ちなみに国立大学であれば、係長から上の配属が事務局か教務かが出世ルートかどうかの目安となる。

日本語学校の場合、この教員と事務局が密接して仕事をしている。しかも教員が教務の仕事をしているのだから、その関係は微妙である。日本語学校での稼ぎ頭は教員である。しかし、事務局の現場仕事である事務もするのだから、事務局の指示に従ってもらわはければならないという構造だ。

この日本語学校の構造は、事務局vs日本語教師という対立を作り出している。しかし、見る限りにおいて、事務局の方が上である。