日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

アルバイト先の会社と日本語教師

留学生がアルバイト先でしでかす不祥事の怒りの矛先は、日本語学校に向かう。日本語学校では、履歴書の書き方をはじめ、アルバイトに関する姿勢や態度、法律としてのルールなどの内容をオリエンテーション等を実施する。そしてアルバイト先を学校の掲示板に貼って案内する。希望する学生がいれば、学校側が会社に電話をして面接の日を決める。ここまでが仕事であり、アルバイト先での事は留学生個人の問題である。

しかし、余りにも態度の悪い学生については学校にクレームが入ってくる。また、学生とトラブルがあり学生に日本語がうまく通じない時も学校に電話がかかってくる。

よくあるケースでは、学生の無断欠勤やいきなり辞めることである。その他、アルバイトの面接でウソをついて働きだしてからシフトでもめる、仕事の初日に学生が来ない、アルバイトの面接とは違う学生がやってきて面接した学生の代わりに働きますと言うなどがある。

アルバイト先の日本人の方たちも、こうしたトラブルに振り回されていることだろう。特に、日本語学校の留学生と言う来日したての殆ど日本語ができない学生なのだから、そのストレスは果てしないものだろう。

こうしたアルバイト先のクレームに日本語教師は、即刻、学生を呼び出して対応している。そして、何度か対応していくうちにアルバイト先の担当者と仲良くなり、お互い様の関係ができてくる。

日本語学校としても、留学生の収入源である会社と仲良くしておくことは、万一の時に助かるのだ。