日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

留学生との信頼関係

日本語能力の低い学生は何を考えているのかわからない。特に初期の頃は日本語で話すのを嫌う学生や先生を何となく避ける学生が多いためである。生活が落ち着き、学生側も教師の性格がわかるようになると、無言だった学生も少しずつ話しかけてくるようになる。

少しずつお互いのことが分かるようになると、教師は学生が意外と「いい子」であると知るようになる。そして、この子のらできるはずと信頼や期待も抱いてしまうのだ。

しかし、こうした信頼や期待は簡単に裏切られる。学生が嘘をついたり、日本語での会話で分からなくても適当に「はい」を言うことが原因だ。

留学生との信頼関係を築こうとすること自体に誤りがあるのではないかと個人的に考えることがある。お互いに筋を通しあい、それが結果として相手の信頼に繋がる位のものであろう。