日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

留学生の多様な学習習慣

日本語学校に通う留学生の学習習慣は多様である。まず、鉛筆を一本しか持ってこない。しかも長い鉛筆ではなく短くなった鉛筆である。鉛筆を持ってくる場合は鉛筆削りを必ず持ってくる。消しゴムは持っておらず友達と共有する。

鉛筆を持っていない学生もおり、ボールペンを持ってくる。しかも黒でなく青である。もちろん、シャープペンシルを使う学生もいるが、その場合、シャープペンシルの頭にある小さな消しゴムを消しゴムとして使用している。また、筆箱を持っている学生も少ない。

蛍光ペン、赤ペンなどの色のついたペンは全く使わない。色鉛筆も使わない。問題を解いて間違いがあれば、消しゴムで消して書きなおす。間違えた所を見直すために印をつける習慣がないのだ。

それから、休み時間の間にトイレを済ませておく感覚がない。授業中、何人もの学生がトイレのために席を立つ。授業が終わる2分前でも行こうとする。

テストの場合、カンニングは当たり前。
母語で平気で話しながら回答を教え合う。先生が席を少しでも外すと私語を含めてガヤガヤ騒ぐ。そもそも試験慣れしていないため、問題を読まずに問題を解くし、問題の趣旨を理解しようともしない。そして難しいと言う。さらに、ボールペンを使って回答しようとする。一度そのまま問題を解かせてみたが、回答を間違えた、どうしよう先生と言ってきた。ちなみに、カンニングはしなかったとしても、テストの時にも消しゴムの共有が行われている。