日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

ベトナムとネパール学生のクラスでの対立

日本語学校には様々な国籍の学生がいる。クラスになると集団となり対立が起こるようになる。様々な国籍間で小さな対立が見られるが、ベトナムやネパールの学生が多いせいか、その対立はよく見て取れる。

ベトナムもネパールもお互いの学生に対して、うるさいという。お互いのことをうるさいというのは、大声で母語を話すからであろう。ベトナムの学生はネパール人は臭いと言い、ネパールの学生はベトナム人は汚いと言う。ネパールの学生が臭いのは香辛料やアルバイトを沢山していてシャワーを浴びる暇がないからだ。そして、ベトナムの学生が汚いのはゴキブリと共存しているからであろう。

こうした潜在的な対立は、時として殴り合いの喧嘩で現れる。二十歳前後の男が本気の殴り合いをする。それを止めるのは担任である日本語教師の役目である。経験知が積まれている日本語学校では、こうした多国籍間の喧嘩をした場合、どんな理由であれ喧嘩をした当事者全員を強制帰国させるルールを作っている。