日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

夏休みの前の生活指導

日本語学校では一カ月に一度、生活指導が行われている。

生活指導では、その都度に応じた生活に関わる注意喚起が行われる。5月は入学に関わる事項、6月は雨に関する注意喚起が行われる。夏休み前の7月は夏休みの過ごし方や海やプール、出国に関する事項が伝えられる。日本語が初級の学生もいるため、注意事項が書かれた紙はやさしい日本語と共に多言語に翻訳され、今どこを説明しているのかが分かるようになっている。こうした指導は約1時間ほど行われる。

しかし、学生の集中力はそう長くは続かない。説明が始まって30分が経つ頃には、隣の学生と少しずつ話を始める。寝始める学生もいる。この生活指導が始まる前に各教室では携帯電話をカバンに入れる指導が行われるのだが、こっそりポケットに入れていた学生が携帯をいじり始めたりする。巡回をする教師がいるのですぐに注意されるのだが、巡回の日本語教師は一人だけである。200人ほどの留学生を2人で統率するのだから、日本語教師の外国人留学生を統率する腕は日に日に磨かれていく。