日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

ベトナム、ネパール、スリランカの「かっこいい」

ベトナム、ネパール、スリランカの男子学生では「かっこいい」に対する意識が異なるようだ。

ベトナムの男子学生の場合、言葉を選ばずに述べるなら、チンピラのようなイメージを持っている。髪の毛は金髪や金に近い色で染め、ネックレスは大ぶり、歩くときは手をポケットに入れて前かがみである。そしてタバコをよく吸う。休み時間になると、廊下の両側に列を作って地べたに座っている。そこでスマホをしたり、友達と話したりしている。そして、そこにベトナムの女子学生がやってきてたむろしている。廊下の真ん中に人一人分が通ることができるスペースがあるが、その他の学生が往来するため、廊下が満員電車の状態になる。金髪だらけのベトナムの男子学生が地べたに座っている様子はまるで、荒れた中学校の様である。

ネパールの男子学生の場合、かっこいいのイメージは、サッカー選手である。ネパールの男子学生は、アディダス等のスポーツ系のTシャツやアウトドア系の服を好んで着ている。髪型は、オシャレなサッカー選手のスタイルに似ている。彼らは、スポーツがそこそこできて、頭が良くて、見た目は爽やか系がいいと思っているようだ。

スリランカの男子学生の場合は、強くて体の筋肉がムキムキで、サングラスをかてけて金のネックレスをちらりと見せるような格好が好きである。髪型は、ラッパーのような髪型をよくする。高級で大きな車を持っているのがかっこいいと言う。

こうした違いは、アルバイトの給料が入ったあたりから如実に現れる。ただ、まだ日本語ができない学生の中には、うまく日本語で伝えられず丸刈りにされてくる学生もいる。