日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

専任講師か非常勤講師か働き方の選択

日本語学校日本語教師としての働き方は2つある。専任講師と非常勤講師である。専任講師はいわゆる正社員であり、非常勤講師は一コマいくらの計算での雇用形態である。正社員と時間給の雇用形態であれば一般的には正社員の方がいろんな意味で優位であるとされる。しかし、専任講師の力量があると評価される人でも非常勤講師の道を敢えて選んでいる人もいる。それには個人的な事情や働き方の好みの他に、日本語を教えることだけに集中したいか否かという志向もある。学生の生活指導や進路指導はしたくない、教えることだけがしたいという場合、専任講師よりも非常勤講師の方が様々な教科書やクラス構成で経験を積める。一方、専任講師であれば学生と密に関わることができるし、カリキュラムの作成にも携われる。また、学生指導に時間を取られるので僅かな時間で教案を作成し授業プリントなどの準備を確実にするという技が身につく。

そして給与もボーナスを除けば、みっちり非常勤で働く給与と月給で働く専任では殆ど変わりはない。ボーナスがない日本語学校では、社会保険雇用保険の有無くらいしか違いがなくなる。

そのため、専任講師、非常勤講師の良い悪いは決められない。本人の生き方やみにつけたいスキルで専任講師か非常勤講師かの働き方が変わってくるだろう。