日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

授業報告が愚痴になる非常勤

日本語学校では常勤と非常勤講師のティームティーチングにより日本語教育が行われる。授業の様子などは報告書により行われる。授業をスケジュール通り終わらせてくれない、教師のこだわりにより一ヶ所に時間をかけすぎる等のトラブルは日常茶飯事である。

厄介なのは、非常勤講師が教案通りに授業を出来ないことである。理由は学生が話をする、ゆっくり書くから等である。その上、教案の内容を間引いて教えているらしく、そうした報告が入ってこない。報告として入ってくるのは、どの学生がうるさいか、言うこと聞かないのかという話が殆どである。それに対してどう対応したかを尋ねると、明確な回答は帰ってこない。また、カタカナ文字が読めない、格助詞やて形に苦戦しているなどの報告ばかりが残り、その場で教師がきちんと対応しないこともある。何処まで言っていいか判断しかねたから後は専任の先生お願いします、とのことだ。

一体どんな授業をしているのか、こうした場合は専任講師が授業見学をするのだが、日本語学校がバブルの今、専任講師にほんの少しの時間の余裕もなく、非常勤講師の人数も全く足りない状況である。

素晴らしい授業をする非常勤講師もたくさんいるが、日本語教師の質の低下とはこういうことなのだろう。