日本語学校 参与観察の備忘録

実態を社会学的にみてみよう。

日本語学校の「プロ」教師像の変化

日本語教師の質の低下が指摘されている昨今、そして私自身これから「プロ」を目指そうとする中で、何を目指して努力すべきなのか分からなくなる。

ある知見では、日本語教育に関する全般的な知識を有し、留学生の日本語習得を確実にできる人を指すだろう。

しかし、日本語学校という組織に所属する以上、学校の教育方針や育てる学生像によって、求められる教師像は変化する。専門学校や大学などの進学が目標にある日本語学校では、日本留学試験やJLPTの合格、面接合格が具体的な目的になるのだろう。この場合、第二言語習得のスキルも必要な傍ら、試験対策スキルや進学に関する知識も必要なわけだ。名ばかり専門学校に行かせないように必死になる教師を多く見るように、進学に導くための学生指導力も必要だろう。

そう考えると、学生の日本語習得を促すだけではプロとは言えなくなる。つまり、様々な日本語学校が乱立する中、教師像も揺らいでいるのではないだろうか。

とはいえ、日本語習得に関するスキルは重要だ。これからの現場では、日本語教育スキル+αができる人が「プロ」と呼ばれていくのではないだろうか。今は、転換期の混沌期なのだろうと勝手に考えている。